「かたわらに」沢田英男 作品集



木の彫刻作品を制作されている沢田英男さん。

初の作品集であるという「からわらに」をある方からプレゼントしていただきました。

私自身は、どこかで沢田さんの作品を見かけてから素敵だなあと思い、SNSを拝見したり個展に足を運んだことがあります。


その作品集から心に響いた文章がいくつかありました。




ー 公募展や個展の作家活動をしても、手応えは得られなかった。55歳の頃から私は「手創り市」の会場にいた。振り出しに戻る気持ちだった。


ー 10年近く受けたアカデミー教育で私の頭は石のように硬くなっていたのだが、その教育を一度、全否定しようと思った。頭をカラにして、知識ではなく、自分の感性で木に向き合うようになった。木を手に持ち、その感触、木目、色や香りを感じていると自然に彫りたい形が出てくる。自然に出てくるから、自分が意識的に作る感じはない。肩の力が抜けて、楽しく仕事ができるようになってきた。


ー また形が単純化してきているのは歳のせいかもしれない。経験を重ねてくると要領よくなって、幹だけ作って、枝葉は見る人に自由に想像してもらおうという方向へとむかう。


ー 見る人の想像力が作品を完成させるような彫刻を作りたい。




ご本人にお会いしたこともなく経歴などは知りませんでしたが、もっとずっと順調に作家活動されてきたのだと勝手に思っておりました。

こうして本に残していただた言葉に勇気づけられ、自分の歩みたい方向をそっと教えていただけた気持ちになりました。


見る側の想像の余地というのはとても大切なものだと私も思います。

けれどその匙加減がまた難しいと感じてしまう。

私はつい細部まで隙間なく作ろうとしてしまうし、自分の完璧を求めたくなる。

むしろ完璧でなければ、と思ってしまうところもある。

自分の完璧は、自己満足でしかないのかもしれない。



おわりにはこのようにも書かれていました。




ー 新しいものを作るには発見が必要です。知識や経験だけでは作れない。形を壊すことで偶然をよびこみ、その偶然によって加わった要素におどろきや発見があったとき新しいものはできると私は考えています。




いつも同じことを繰り返しているだけではつまらないし、進歩もない。

自分の内によろこびを伴う創造には予期せぬものとの出逢いが必然になる。

その偶然にいかにして出逢えるだろうか。


まずは壊すことから始めてみよう。



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